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【経営者の内観インタビュー】 業界屈指のTシャツのプリント技術! 有限会社 丸昇 代表取締役 安藤明弘社長 前半

今回は、業界屈指の技術で知られるTシャツの印刷会社を経営しながら、新事業として綿花や野菜の栽培にも着手する丸昇の安藤明弘社長にお話を伺いました。

 

Q. 集中内観にはいつ頃、何回行きましたか?

 

A. 今までに2回集中内観に行ってるんですけど、2019年の6月と2021年の9月です。

 

 

Q. 集中内観に行ったきっかけは何ですか?

 

A. 僕自身は、その時は会社の業績は良かったんです。売り上げも増える、受注も増える、従業員も増えていくんですけど、従業員が疲弊していくんです。

僕の経営理念は『従業員の幸せ』で、その経営理念に合ってるか合ってないかで判断してきて、それで応えれたはずなのに、経営理念だけだと応えられない問題が、社内で起き始めたんですよ。

「これはどうしたものかな」と…。それで兄には相談してたんです。そして兄が「内観ってめちゃくちゃいいらしいからお前も行ってみろよ。」と言われました。

その時にある会社の社長さんが、兄と一緒に食事会を開いていただいて、その社長さんに「一度内観に行ってみたらいいんじゃないか」と勧められたのがきっかけですね。

 

 

 

いきなり始まるので、内観ってこれで合ってますか?という感覚。

Q. 研修所に到着し、内観研修が始まる時に感じたことは?

 

A. 着いてすぐは、正直なことを言うと、あまり説明もなくいきなり始まるので、大丈夫かな?という思いが強かったです。最初にアンケートを書いたり、一応方法は教えてもらうんですけど、あまりにも知らない状態で始まるという感じなので…。

初日は特に、長島所長が来られてお話するんですが、これで合ってるのかわからないし、集中もできていないので、思い出すとか思い出さないとかじゃなくて、「内観ってこれ?これで合ってますか?」という感覚が非常に強かったです。

 

 

1回目の集中内観は、不安で結果が出ないことにイライラしてた。

2回目は静かに落ち着きながら始められ、清々しい感じでした。

Q. 集中内観が始まって、前半どのようなことを感じましたか?

 

A.  1回目と2回目の二度の集中内観をしたので、全然感じたことは違います。

1回目は何もわかっていない状態で内観をしているので、最初は父、母、妻を対象に思い出すんですが、今すぐ思い出せることを思い出して、「こんなことあったな」というくらいで、感謝は当然感情としてあるんですけど、湧き上がる感謝じゃなかった。

その2年後の2回目に集中内観に行った時だと、同じ前半でも(内観とはどういうものかを)知っているので、もうちょっと深く入れるというか、穏やかでしたね。

 

1回目の時は不安でイライラしてたと言うか、思い出せるけど、ここに来なくても思い出せるのに、こんな時間を過ごしていて、会社の代表である自分がこんなことしてて、本当に大丈夫か?と、3日間くらいまでは何もない状態でした。思い出せる程度のことしか思い出さないから、こんな時間があったら、こんな仕事もできたし、あんな仕事もできたしという事ばっかり考えてて、結果、効果が出ないことに対してイライラしていましたね。

 

2回目の時はわかってるので、内観をすごく信じてるので、スタートはこんなもんだなと。逆に富山のおいしい空気だったり、自然に触れられる、いい風だなぁとか感じながら、静かに落ち着きながら始められたので、全然心がザワザワもせずに、清々しい感じがしていました。なので、1回目と2回目では心のあり方が全然違いますね。それぐらいの感情の差はありました。

 

 

今までずっと心に閉じこめて気づいていなかった感情が溢れてきた。

Q. 内観の中盤、後半、何か印象的だったことはありますか?

 

A. 初めての集中内観の時は、2回目の母に対しての自分を調べている時に、母が、僕と年後の兄を保育園に連れて行ってくれるという映像が出てきました。母はその時ヤクルトおばさんだったので、ヤクルトを載せる自転車の大きいかごが前にあって、後ろにも普通にカゴがあって、兄貴が後ろに乗って、僕が自転車の前カゴに乗って、それで母に保育園に連れて行ってもらうのがすごくうれしくて…。保育園は正直嫌いだったんですけど、母がニコニコして保育園まで送ってくれる。そのニコニコしている母を見ているのが大好きだったんだなっていう、幸福感がすごく溢れ出てきて、涙が止まらなかった。

 

その時に母に対して全然感謝が足りてなかった。本当に母が大好きだったという事が再認識できて、そういう今までずっと閉じこめて気づいていなかった感情が溢れてきて、面接に来られる長島所長に伝えた後に、すごい清々しい気持ちになったなというのが一番大きいできごとでした。

 

それ以外も、父か母を思い出している時に、従業員が出てきて、従業員が僕の指導(業務内)で大変な目に合ってるのに、全然手を差し伸べずに働かせてたとか…。

そういう事も出てきて、本当にすごい頑張ってくれている従業員に何の感謝もしていなかったという自分がすごく出てきました。対象に出てきたのはたまたま一人なんですけど、その彼が出てきてくれたおかげで、僕は『従業員の幸せ』と経営理念で掲げているのに、他の従業員たちにも寄り添えていないなと…。

 

それで、各リーダー達、ひとり一人を思い出しながら、自分がやってもらってることに対して全然感謝が足りていないなと見つめ直して、帰ったら全員に謝ろうと思って…。

謝る子もいたし、感謝を伝える子もいたし、そういう感じで戻ってから、個人面談した覚えがありますね。

従業員を内観していたわけではなく、父に対する内観をやっていた時に、なぜか急に従業員が出てきて…。というのが大きな体験としてありました。

 

それで、1回目の集中内観で、本当は僕は父に確執があって。父との和解っていうわけではないんですが、仲が悪いわけではないんですが…。

父が会社の創業者で、僕は二代目で、なぜか、本当はもっと父を尊敬したいんですけど、あまり尊敬ができない。それで、父は基本、僕がやってることに対して、何も文句を言わないから、他のいわゆる確執がある中小企業の二代目・三代目さんの話を聞いているよりはよっぽどスムーズにできたんですけど…。

 

ただ、父は母に対してすごい冷たいというか、愛のある行動が見られないというか、それでいつもイライラしている。そんな父を見ていると、こっちもイライラするし、「なんでこんな生き方をしとるんだろうな」という感じで父の事を見ていて、素直に「ありがとうございます。」という気持ちにもならない。

 

それでそういうことを本当は改善したくて、父を尊敬できる自分になりたくて、集中内観に行ってるんですけど、正直「これ」っていうのは1回目の内観では起きていなくて…。

ただ徐々に最終日を迎えるまでの間に、なんとなく許していくというか、少しずつ氷が解けていく感覚に近いというか…。

 

なので「あ!こんなこと思い出した!」というのはあんまりなくて、ただ自分の気持ちがスッキリしていくという、不思議な感覚にはなって、最終的には父にもすごい感謝して謝らなきゃと、自分がしていただいたことに対しての感謝をちゃんと伝えていなかった。

自分がどれだけ迷惑かけてきたんだという事は結構思い出せたので、そこに関して、帰ってまず謝って感謝を伝えようという気持ちになっていました。

1回目の内観が終わって、すぐに父に感謝と謝罪をした。

ただ、それも少しずつ日にちが経つと、また心が曇っていくというか、父に対する感謝と尊敬の念でいっぱいだったはずなのに、少し時間が経つと、なんか違うぞとなって、当然僕の気持ちが変わって、父の行動は変わらないので、また父が母に対して厳しい態度を取っていたり、父がイライラしているのを見ると、「何でなんだろう」と思ってしまう。

 

それでまた2年後に集中内観に行った時は、同じようなことなんですけど、従業員にも父に対しても感謝が足りないなと思えるようになってきていた。

それで2回目の集中内観の後半に、今度は父に対して明確に思い出した場面が出てきました。

それは小学校の低学年の時に、家で家族だけでクリスマス会をやっていて、その時にささやかながら、クリスマスケーキがあって、レコード盤のジングルベルとかクリスマスの童謡をレコードでかける。このレコードでかけるというのがすごく楽しくて、クリスマスの時のみ針を落とすレコード盤なんですけど…。

その場面が出てきて、父と母がすごい嬉しそうで、僕ら兄弟も楽しそうで、ものすごく幸せな景色が出てきて、めちゃくちゃ楽しい幸せな家族じゃないかというのが思い出された時に、自分が何にこだわっているんだっていう感じに陥ったんです。

 

 

やっぱり僕も父の事が大好きだったんだなという事が思い出せた。

今までの父の行動を許せないと思っていたんですけど、むしろ父が可哀そうだったのかなとか、そういう角度で見れるようになって…。イライラしている父だったり、昔はお酒を飲んで暴れたりしていたので、そういう父が大嫌いでそういう風に自分は絶対なりたくないと思っていて、それでそれを許さないと思ってたんですけど…。

なんかキーワードで言うと『許す』というと、上からっぽく聞こえちゃうんですけど、そういう意味じゃなくて、ただ父の行動を許せるような感覚になって、やっぱり僕も父の事が大好きだったんだなという事が思い出せた。

 

それまでは僕が体験したみたいに、父に集中内観に行ってもらって、父が集中内観をすることで、いろんな気づきがあるんじゃないかと思ってたんですけど、もうその必要もないなと思えるようになって…。まあ、必要ないわけじゃないんですけど、本当は僕は「全人類が集中内観をすれば良い」と思ってるんで、やった方がいいんですけど、父が最初に集中内観に行くよりも、先に母が行った方が母自身が気が楽なのかなと思って、勧めようと思いました。

2回目の集中内観を終えて帰ってきてから、1回目同様、父と母に謝罪と感謝の気持ちを伝えて、その時に母に集中内観を勧めました。

 

実際に母がそれから半年後に集中内観に行くことになりました。

 

なので父に対しては、1回目の集中内観で雪解けがあり、2回目に許すという思いがあった。とは言え、日常が繰り返されると、いろんな感情にさいなまれるんですが、昔ほど心がざわつきはしないという感じで今は過ごせてるかなと思います。

 

 

 

反省するようになりました。すぐ感情的にならずにワンクッション置けるような感覚はありますね。

Q. 内観後、ご自身で何か変わったことはありますか?

 

A. 正直何が変わったかは、自分では明確にはわからないですけど、反省するようになりましたね。前は、例えば相手が悪いなと思ったら、「相手が全部悪くて、自分は全く悪くない。」と思ってたんですけど、今はそうではなくなって、「もしかしたら自分にも非があったんじゃないかな」って思うようになりました。

前は結構短気だった。内観後は、すぐ感情的にならずにワンクッション置けるような感覚はありますね。

 

僕は従業員と向き合うという事が多いものですから、個人面談をしたり、従業員の点数をつけてフィードバックをしています。日常会話でもそうなんですけど、相手の意見を聴くというか、コーチングの練習もしているので、自分がしゃべって伝える事も大事な時もあります。でも、相手がどう思っているかというのを聴くという事を意識してやっていて、内観前の自分はそれを意識しているにも関わらず、なんだかんだ言って我が強かったなと思います。

なので伝わらないことにイライラするし、理解してもらえないことに対して、相手が理解できないことが悪いと考えることが多かったですね。

それが、結局は自分の伝え方が悪いんじゃないかとか、自分が相手の事を理解してないんじゃないかとか、自己反省することが増えましたね。個人面談はそういう感覚で従業員と向き合ってた方がうまくいくと思っています。そういう意味でワンクッションゆとりができました。

 

家庭では、妻は会社も手伝ってくれているし、ピアノの先生もやっていて、子供は3人いるので、結構忙しいんですけど、いろいろやってもらったり、助けてもらっているので、本当はもっと家庭の事を反省しなければいけないと思っています。

実際、妻が集中内観に行ってくれて、妻はだいぶ変わったなと思います。

 

 

【安藤明弘さんのインタビュー前半を終えて】

日常生活や仕事の問題をなんとか解決したいと内観に行かれる方は多くいらっしゃいます。集中内観の基本は、母、父、というように初めは両親を対象に自分を調べていきます。

一見、今抱えている問題とは全く関係ないように思え、両親との関係を調べて何になるんだろうと疑問を抱く人も多いようです。しかし今起きている問題も、その問題の原因の根っこは幼いころ、母や父との関係の中での勘違いや未消化の思い、心のわだかまりが今も関係しているという事がほとんどのようです。

 

安藤さんも実際お父さまとの関係を振り返っている時に、会社の従業員が思い出されたりして、現在の問題もそこから紐解いていかれているようです。

 

繰り返し自分の根っこを見つめることで、自分の思い方にも変化が現れ、ワンクッション置いて物事を考え、行動に移せるようになる。こうした小さな変化の積み重ねを、自分自身も大切にしたいなぁと、改めて感じさせていただきました。

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