母親との関係性に起因する摂食障害
自分を認め「幼い時の自分」と一緒に眠れた安心感を得る
ある社長は、社員の話しをゆっくりと時間をかけて聴くことにしています。
20代女性社員の話を聴き、彼女には食べ物に捉われがあることを知りました。
彼女の生い立ちと照らし合わせ、社長はこう助言をしました。
「母親との関係性が、現在の過食と何か関係があるかもしれない」
すぐに彼女を内観に紹介しました。
今回は、この女性社員の内観後の感想文です。
内観を通して母親との関係性を見直し、自分自身を認め、
受け入れることで、現在の生きづらさが軽減しました。
また、内観中のお食事は一般的な家庭料理を提供しております。
母の味を思い出す…とご好評いただいております。
温かいごはんも、内観を促進する要因のひとつと言えるでしょう。
内観療法では、環境を安全・安全・満足することで、守られているから「見捨てられ体験」に向き合うことができます。
集中内観研修後の感想文
まずは内観をすすめてくださった職場の方々に感謝します。
私は、母親との関係性が、現在の過食傾向にある自分と、
どのような関係があるのかを知りたくて内観に来ました。
私は幼い頃より一人で考えることが好きで、よく空想をしていました。
風呂場が私にとってその空間で、今思うと“あれは内観のようなもの”であったと感じます。
そのために、幼い時から母にも父にも「世話になったこと」や「迷惑をかけたこと」に思いめぐらせることも多くありました。
過去を振り返り、感謝を伝え、母を感動させ泣かせたこともありました。
母もよく過去を思い出し、その当時の心情などを説明する人でした。
子どもの頃の私は、母の言うことに疑いを持ちませんでした。
叱られたときも、「私は怒られても当然のことをしていた。あんな(悪い)子どもだったから叱られて当たり前」と、思いこんでいました。
母の言動はすべて正しい。悪いのは私。
そのような自分自身の思い込みに、内観して気付きました。
このように、私は短絡的に「自分が悪い」と思ってしまうのです。
そのためか、内観の3つの質問のひとつ、
自分が「迷惑をかけたこと」を具体的に思い出すには時間がかかりました。
何度も内観面接者からヒントをもらいました。
それでもなかなか「迷惑をかけたこと」がきちんと言えませんでした。
幼い頃の自分自身を、私は認めることができませんでした。
内観最終日7日目、
母との関係を調べる中で思い出したことを面接時に話しました。
私は「愛おしい」「けなげに生きてきた」という言葉を口にしました。
しかしそれは誰が誰に対して言ったのか、
自分でも述べた直後は分かりませんでした。
そこで、子どもの時の「愛おしい」「けなげに生きてきた」
自分をよく味わうようにしてみました。
すると自分を「認めてやりたい」と感じられ、涙があふれました。
その夜、私は幼い時の自分と一緒に眠れたような気がしたのです。
食事に関しても感謝しています。
野菜中心の和食をたっぷり味あわせていただきました。
豆腐類が好きなので、厚揚げ、がんもどきに大喜びしていました。
内観の最終日にする座談会の席上で、
同じ週に内観した他の方も、食事に関しては喜んでおられました。
一人暮らしで、外食ばかりの中での家庭料理でした。
「誰かが自分のために作ってくれた食事」が久しぶりでした。
内観中の楽しみでした。