北陸内観研修所

自分を変えたい

「心のタイムマシーン」私が感じた集中内観 後半

集中内観体験記

「何のために生まれ、何のために生きるのか」そんな疑問を胸に、北陸内観研修所にて集中内観を体験された方の感想文、その後半をご紹介します。

前回は初めて集中内観研修をした体験談を書きました。
今回は、集中内観後の変化やその後の継続の工夫について。
また、私が感じた「集中内観」のメリットとデメリットについて書いています。

集中内観を終えての変化

日常に戻っても、心の奥のあたたかさは忘れない

集中内観は、心の深いあたたかい部分に触れる感じでした。
集中内観を終え、外に出ると、いつもより空が青く、景色が澄んで見えました。
同じ景色も、こんなにキラキラ輝いて見えるんだと感動しました。
しかし、日常生活に戻ると、すぐに心はいつもの自分に戻ろうとします。

屏風の中で感じたあのぬくもりはだんだん薄れ、自分の目は外を向き、人を批判し、自分を守ろうという思いが出てきます。
でも集中内観で、自分の見方が180度変わった経験や、両親をはじめたくさんの愛情を受けた感謝、あのあたたかい気持ちは心の奥にあり、忘れることはありません。

疑問への答えが自然と出ていました

1番の変化は、いつも外を向きっぱなしだった自分の心を、意識して内側に向けられるようになったことです。
日常の中で、何かうまくいかないとき、今までは外に原因を求め、相手のせいにしていました。一時的に気分はスカッとしたように思いますが、本当の安らぎはありませんでした。
人を責める心や不平不満が出ても、心を見つめ直し、自分の見方が間違っていることに気づくたび、心は穏やかになり、相手も自分も許し受け入れられるようになってきました。

人からしていただくことは、お陰さま。
自分がお返しすることは、当たり前。
そんな風に無理なく自然とできるまで、もっと内観を深めていきたいと思います。

集中内観の目的だった「何のために生まれ、何のために生きるのか」
自分の中では納得のいく答えが自然と出ていました。
すべては自分の心の中にある。
内側を観ることの大切さを感じています。

内観継続の工夫

集中内観を体験して、「内観は一生続けよう!」と心に強く思いました。
何事も1回でやめてしまっては身にならないように、継続することの大切さを感じています。
集中内観を体験した後は、「日常に戻ってからが本番です。」と内観の創始者である吉本伊信氏はおっしゃられています。

内観から離れるほど、幸せは遠ざかっていきます。
日常内観を続けることで、集中内観の時のような深い感謝や安らぎは感じられなくとも、いつでもあの感覚を思い出し、日常の中で、今ある幸せや、与えられている環境が当たり前でないこと、たくさんの人に今も支えられて、毎日生かされていることが感じられ、あたたかい気持ちになります。
ありがたいことに、内観はいつでもどこでも簡単にできるので、工夫次第で続けられると思っています。

それでも、日常内観が毎日できない時もあります。でも、できなかったからもうやめようとは思いません。
できない日も受け入れながら、忙しい時は、車の中や、お風呂に入りながらなど、少しでも内観する時間を作っています。
ただ、ひとりでは何事も継続は難しいので、東京・名古屋・大阪の各地で年に数回開催されている内観caféや、コロナ禍で始まったオンラインで定期開催のZoom de内観caféに参加したりして、内観仲間と一緒に内観しています。また、行けるときは年に1回集中内観に行き、内観継続の後押しをしていただいています。

継続することが苦手だった私ですが、2016年の年末から、今現在5年と6ケ月、内観は続いています。
内観を継続することで、日常生活の中での変化や効果が感じられるようになってきました。
また、そのことについても別の機会に書かせていただきたいと思います。


名古屋の内観caféの様子


大阪の内観caféの様子

 

【集中内観前のミニ内観体験】と【集中内観後のフォローアップ】について

現在、北陸内観研修所が開催しているオンラインの内観は、どなたでもお気軽に参加できます。
初めての方も、集中内観体験者の方も、ぜひご参加してみてください。

集中内観未体験の方向けに
【はじめての内観】オンラインセミナーが2ケ月に1回開催されています。

内観ってなに?どんなもの?初心者にやさしい『はじめての内観』オンラインセミナー。セミナー中に内観についての分かりやすい説明があります。聞きたいことも気軽に聞けます。参加費無料なので、お気軽にご参加できます。
こんな方におすすめです
• 内観のやり方、効果を知りたい
• ちょっと体験してみたい
• 内観未体験だけど興味がある
お申込みはこちら

集中内観体験後のアフターフォローとして、
【Zoom de内観café】が毎月一回開催されています。

内観cafeは、cafeのように気軽な、内観のグループワーク。『日常内観が継続できるよう』主催者も参加者もみなさまが同じ立場で集い、内観を実践し、励まし合う会です。参加費無料なので、参加できるときに集まって仲間と一緒に続けていきましょう!
こんな方におすすめです
• 日常内観を続けたい
• 仲間と一緒に内観したい
• 集中内観を体験したことがある
お申込みはこちら
※2022年6月現在、東京・名古屋・大阪で年に数回開催される内観caféは、開催未定です。再開されるときは、北陸内観研修所のHPや公式LINEなどでお知らせいたします。

 

私が感じた「集中内観」のメリットとデメリット

 

たいへんな時は面接の方に相談しながら

初めて集中内観に入ったとき、私は日ごろの肉体の疲れと、生活リズムの違いが大きく、4日間ほどは眠気もあり、なかなか集中できませんでした。

集中内観2回目の参加以降、集中内観に行く前から、眠くならないように可能な限り睡眠をしっかりとっておき、スマホもセーブし、日常内観を続けるよう努めます。そうすると集中内観のときに、集中しやすくなると感じました。

また、ご迷惑をおかけしたことを調べていると、自分を責める気持ちが湧いてきたことがありました。
自分を責めて、苦しくなったり、気持ちが暗くなったりする場合は、少し軌道修正できるように、面接の方に相談されてみてもいいかもしれません。

集中内観のデメリット

〇現代社会では、1週間という時間が取りにくい
〇基本的に1週間、携帯やパソコン、テレビ、本が見られない
〇日常生活とのギャップが大きい
〇周囲の人の理解や協力が得られにくい
〇金銭的な問題

集中内観のデメリットとしては、現代社会で、1週間という時間の確保が難しいことではないでしょうか。
仕事で1週間休みを取ること、主婦であれば、家を1週間空けることになるので、介護や育児中の方、ペットを飼っている方などは、家族や身近な人の理解や協力が必須となることです。

まだ内観の認知度が低いため、内観と聞くと、宗教や何か怪しいものと思われ、家族や周囲の人の理解が得られにくいことも考えられます。
また、1週間携帯やパソコンなどを預けて、自分を見つめますので、気軽に連絡がとれる現代では、その対策も必要となるでしょう。

そして、現代はテレビなどSNS、動画など気軽に楽しめる娯楽に慣れているので、急に何もない生活はギャップが大きく、それに耐えられない人もいるかもしれません。
基本的に一人で自分を見つめますので、一人が不安な方や寂しい方は、心細くなることもあるようです。
1週間、宿泊、食事、風呂などのお世話になり、内観研修を受けるので、費用の面でも、家族の理解が必要になってきます。
しかし、それを上回るメリットもあります。

集中内観のメリット

〇心が軽くなる
〇感謝心、幸福感が増す
〇1週間静かに自分と向き合える
〇自分を知る
〇人間関係がスムーズになる
〇生きる気力が湧いてくる
〇自分にも人にも優しくなる
〇(富山の北陸内観研修所の場合)立山連峰の美しい景色が見られる
〇大自然の中で心身共に癒される
〇美味しい手料理がいただける
〇過去を振り返り、タイムマシーンで自分の心の中を旅する気分
〇富山のお寿司屋さんが新鮮で美味しく、いつも昼食に食べてから入所するのが楽しみ
〇富山のおいしい水をいただける

富山の北陸内観研修所は、富山市の市街地から離れた自然豊かな場所に位置しており、横に長い平屋で、どの部屋からも立山連峰を眺められる広い庭に通じています。周りは田畑に囲まれ、大自然豊かな環境の中で、静かに自分を見つめられる1週間は、心身ともに癒されます。日ごろの体の疲れもすっかり取れて、おいしい手料理は体にも心にも染みます。外界からの情報はほとんど入ってこないため、心が落ち着き頭の中もすっきりしてきます。

富山湾でとれるお魚は新鮮そのもの!そして、富山のお米もおいしくて有名です。ということで、お寿司屋さんもレベルが高いです。集中内観に行く前にぜひ味わってみてください。
富山市の水道水は2013年モンドセレクションで最高金賞を受賞。源流が北アルプスの雪解け水なのでミネラル豊富でおいしいです。

画像引用 「富山市ホームページ」より

 

「心のタイムマシーン」ぜひ体験してみてください

ハワイ旅行も大好きですが…

私は長期の休みが取れると、今まではハワイ旅行に行っていました。もちろんハワイ旅行も大好きですが、集中内観の1週間は、自分の心の中をタイムマシーンに乗って旅するような感じです。
はじめの3~4日はなかなか思い出せませんが、集中内観に慣れてくる4~5日目あたりからは、目をつむると、過去にタイムスリップしたように、自動的にスクリーンに次々と過去の思い出が映し出されてきました。気づけば、懐かしくあたたかい想い出に包まれていました。

外から得られる癒しもありますが、内観で自分の中から沸き起こる感謝や喜び、癒しは、何物にも代えられない幸福感を与えてくれます。そこで体験した感謝や幸せは、心の奥にしっかりと根付き、その後の生活にも安らぎを与え、生きる気力が湧いてくる、自家発電のような感じです。
そこで得た気づきは、その後の人間関係や生き方まで変わっていく人もいます。

私自身、その後の内観を継続することによって、人とのつながりや信頼感が強くなったり、生活の中で穏やかに過ごせることが増えてきました。

集中内観を終えた後の爽快感、溢れる感謝、あたたかい気持ちをぜひ体験してください。

 

一番内観が深かった人 森川りうさんの「道のうた」

 

最後に、森川りうさんの「道のうた」をご紹介します。
吉本伊信氏のお義母さまの森川りうさんは、吉本伊信氏が「一番内観が深い人でした。本当にそれはもう熱心に真剣に内観をされていました。」と言われています。

森川りうさんの死後発見された雑記帳には、生前の森川りうさんの四十年間の内観体験からにじみ出た涙の結晶ともいえる「道のうた」が綴られていました。
何度読んでも、何度聴いても新鮮で心に響いてきます。また、内観が深まってきた頃に聴くと、より一層、言葉の一つ一つの重みが心に沁みます。

道のうた 森川りう

これから通る
今日の道 新しい道
通りなおしの出来ぬ道

苦しいことから逃げていると
楽しいことからも遠ざかる

感謝の心
みんなあるはず出せるはず
勝つ人は強いが
ゆずる人はさらに強い
人の世は 山坂多い旅の道

長所はうぬぼれると短所になる
短所は自覚すれば長所となる

やり手になるな
まかせられる人になれ

如何な云いわけも
自分の愚かさを隠すことが出来ない

出来ることはやろうとせず
出来ぬ事ばかり心配している

知りながら
つい忘れがち親の恩

幸福はどこにも見えず
誰にも知れず
だけどみんなのそばにある

過去が現在を作り
現在が未来を作る
苦しいとも苦しさの中に学ぶものを見よ
自分より他に自分を苦しめる者はない

むつかしい事は知らなくとも
人の悪口を言わないだけでとくになる
腹を立てまい
つとめて立てまい
腹を立てると寿命が縮む

人を困らせて得た物は
自分の身につかぬ
人の欠点にはよく気がつくが
善行や長所は見のがしやすい
身なりより光るあなたの心懸け

ああして
こうして
計画満点
実行せぬは玉に傷

ほめられて喜ぶ人は多いが
しかられて反省する人は少ない

与えても
減らぬ親切 残る徳
成り行きは偶然に来るものではない

いやな仕事も喜んでやれば
好きな仕事に変わってくる

人の世話はよく出来ても
人に恩をきせぬ事むつかしい

右でもない 左でもない所に
まことの道がある
仕事も人の心と身になって

金は重宝なもので神通力がある
ところが
金を我身の攻め道具にする人がある

豊かだから与えるのではない
与えるから豊かになる

笑顔でお早う
感謝でお休み
希望と感謝と反省の日を重ねつつ
我が生涯を意義深く

こちらの「道のうた」は、北陸内観研修所のYoutubeチャンネルでもご視聴いただけます。

こうした心に少しでも近づけるよう、内観を深めていきたいと思います。

TEL 076-483-0715
9:00〜18:00 (不定休)