北陸内観研修所

いきいきと働きたい

【経営者の内観インタビュー】 会社の急成長と共に、企業研修に集中内観を導入! 有限会社 丸昇 代表取締役 安藤明弘社長 後半

会社の急成長と共に、社員が疲弊し始め、企業研修に集中内観を導入。今回は、内観研修を取り入れて、働くスタッフや会社にどんな変化があったか、お話を伺いました。

 

Q. 会社の研修に集中内観を取り入れたきっかけを教えてください。

 

A. 中内観を自分が実際に体感してみて、正直な僕の感想は「全人類がやるべきだ」と思いました。なので、会社だけじゃなく、学校教育とかにもあったら、修学旅行の代わりに集中内観をしたらいいなとか、刑務所にも取り入れると良いと思った。日本だけじゃなく世界中でそうなるといいなと本気で思うくらい素晴らしい体験だった。

 

従業員たちは、実際に縁があって自社で働いてくれていると思うし、自分自身に何か使命があるとしたら、『従業員の幸せ』を経営理念で掲げているので、そのために会社として何が提供できるんだろうと…。

当然、給料やお休み、レクリエーションとかあるんですけど、それとは別に、僕が代表であって、丸昇でしか体験できないことや、僕が知ってて、みんなに知ってほしいと思うものは、ぜひ勧めていきたいなと。

その中で、集中内観は自分の体験の中でかなり(※)センセーショナルだったので、ぜひ従業員に体験してほしいと思ったんです。

※センセーショナル…多くの人の興味や関心を強く惹く

実際、全従業員にやってほしいと思うんですけど、いきなり僕が集中内観に行って「すごく良かったから、みんなもやりなよ!お金は会社で全部払います!」と言ったら、変な宗教にはまったのかもしれないとたぶん思うだろうなと…。

 

なので、まずはリーダー達から行った方がいいんじゃないかなと。あとは人それぞれ役割が違うので、今、その仕事場を1週間空けてしまうと、業務が全く回らないというところもあるので、急には行けない人もいる。だから、タイミングを見計らながら、順番に集中内観に行ってもらいたいと思います。

 

今、部長の2人に、彼らが部長になる前に、最初に行ってもらったんです。僕は2人を右腕だと思っているので、どうしても先に行ってほしかった。彼らが、もしあまり心に響かなかったり、感じなかったら、もしかしたら社内に普及はできないかもしれないと思っていたんです…。

僕自身は内観を続ければいい。でも、その2人が続けようとか、勧めようと思わないんだとしたら、会社の研修には合ってないのかもしれないなと思っていたんです。だけど、彼らも僕が行った1年半後くらいに行ったんですが、彼らもとても感化されて、「集中内観はすごく良かった。こんな体験はなかなかできるものじゃない。ありがとうございました。」と出所してすぐに言ってくれた。そういう感動が彼らにもあって、大きな反省があり、すごい感謝に包まれた体感があったと聞いたので、これで胸を張って、社内のみんなに勧められると思った。

 

そこから少しずつリーダー達に順番に行ってもらってます。人それぞれ体験の内容は全然違うし、深い浅いも本人の中にはあると思うんですけど、「行ってどうだった?」と聞いた時に「良くなかった」という人は一人もいなくて、「すごい良い体験をさせてもらった。」という人しかいないので、やっていることは、今のところ、これで間違いはないのかなと…。

 

内観報告会が一つの行事になりつつあります。

集中内観から帰ってきたら、内観体験者達で内観報告会というのをやっていて、最初は僕が部長の2人から話を聞きました。2人とも目をキラキラして話してくれるんです。

「社長はどうだったんですか?」と聞かれて、自分の体験談も話して、いろんな共有ができて、苦楽を共にした友ができたみたいな感覚になる。

 

次に内観に行った従業員達も同じように共有して、それが繰り返されていて、次、内観に誰かが行くと、内観に行く本人たちは緊張してると思うんですけど、すでに体験した人たちが、「内観報告会がすごく楽しみ!」となっていて、どんな体験をして帰ってくるんだろうというのと、自分の体験を伝えたいというのと、両方あるんです。

結構、この内観報告会が一つの行事になりつつあります。

 

もう体験者が10人を超えているので、時間的に一人ひとつのエピソードくらいしか話せませんが、集中内観から帰ってきた人がメインで話をして、お互いに新鮮な時間を共有できています。新鮮なエピソードを聞くと、少し前に行った人たちは、忘れかけていた当時の集中内観を終えたばかりの気持ちや、自分の課題を思い出せるんです。そういうことも活用できています。

 

自己反省という向き合い方ができるのが集中内観の基本かなと思います。

今後、体験者がどれだけ増えていくかわかりませんが、そろそろ2回目行く人達も出てくるのかもしれない。こういったことが浸透していけば集中内観に行った人同士で、話を共有できる。

向き合うには自己反省が大事で、課題から逃げても、同じレベルの課題が形を変えてまた来てしまう。だから自己反省をして、自分に何ができるかを考えて、乗り越えていく。

そうすると、違う景色が見えて、感謝も出てくるし、そこを乗り越えたことで、うまく回ることがいっぱいある。ずっと苦行が続くのではなく、僕の中では、一つ乗り越えて、景色が変わって、ちょっとだけ人生が豊かになる。

レベルが上がったみたいな感覚に近いというか、その代わり次のステージに行くと、次の課題が出てくるから、今までの自分の努力じゃ超えられないので、また向き合う。

その時に今までのように逃げるとか、人のせいにするみたいな感覚だと乗り越えられないので、自己反省という向き合い方ができるのが集中内観の基本かなと思います。

集中内観を体験して向き合い方を覚えたことで、いろんな壁が乗り越えられるようになってきたかなあと、僕自身思っているので、それをみんなにも体験してもらって、それが会社に浸透していけば、従業員達も成長して、少しずついい会社になっていけばいいなと思い、企業研修に集中内観を取り入れています。

 

仲のよくなかった2人が集中内観に行って、変わって出てきてくれたので、会社としてはものすごい大きな成果がありましたね。

Q.貴社で集中内観を社員研修に取り入れて、何か変化はありましたか?

 

A. めっちゃありますね。まず先ほどお話した右腕2人に集中内観に行ってもらったんですが、2人はあまり仲が良くなかったんです。2人もめちゃくちゃ会社の事を考えてるんですけど、ベクトルが違うと言うか、タイプが全然違うんです。

「2人がお互いに話し合って一緒に会社の方向性を考えてくれたら、僕はありがたい。」って言ってたんですけど、「ちょっと話すと、気が合わないんで」「もし話すときは最悪どっちかいなくなりますよ」とか言ってたんです。ただ2人も僕と話すときは、すごく会社の事を考えてくれてて、会社の従業員の幸せもめちゃくちゃ考えていて、同じことを考えているはずなのに、ちょっとだけボタンをかけ違えているから、お互いうまくつき合えないっていう事があって、この2人に一緒に集中内観に行ってもらったんです。

 

そしたら、戦地から生きて帰ってきた2人みたいな感覚で…。当然性格が違うので、今まで合わなかったんですよ。未だに性格は全然違います。でも今は2人ともリスペクトし合ってるので、ちゃんと尊敬すべきところ、認めるべきところを理解してつき合ってる。だから、お互いの意見をちゃんと聞けてます。

 

なので、なんかあったら相談してるし、声掛けし合って、彼らが会社の事を考えて動いてくれてるので、彼らが手を取り合った時点で、僕としては、ものすごい変化だなと思っています。

 

2年前の8月を思い出すと考えられなかったです。「本当に2人が仲良くやってくれれば…。」と僕は熱く話をしていたので…。

そこから1月に2人が集中内観に行って、変わって出てきてくれたので、会社としてはものすごい大きな成果がありましたね。彼らがいろんな体験をして、壁に向き合って、自分の中で超えられない課題にちゃんと向き合えるようになって…。

 

それまでは彼ら自身「俺はこんなにやってるし、頑張ってる。だから相手が悪い。その現象(できごと)が悪い。」という風に思っていた。逃げずに頑張ると言うか、自己反省と感謝と、彼らが一生懸命向き合って、乗り越えていくことで会社が成長して、そうすると次の従業員たちが成長してくる。次の従業員達も課題に向き合う時、集中内観が助けになる時もあるし、集中内観から出所して時が経っているとその気持ちを忘れることもあるので、お互いに支え合って、課題をひとつずつ乗り越えていく。そしてまた彼らの次の世代が・・・というような成長の波が僕の中では見えるので、最初に行ってくれた2人の変化は、僕の中でも、会社としても大きな影響があったなと明確に思います。

 

 

Q. 集中内観後のフォローアップを、貴社独自のアイデアでSNSを使って工夫されているとお聞きしました。どのようにされていますか?

 

A. 当社で内観アプリを作りました。

集中内観を終わった時は、絶対に日常内観を続けようと思うんですよ。でも、ちょっと難しいかもと思ってるんですよね。実際、集中内観を終わってこの気持ちを維持して、日々、感謝と反省で生きていかなきゃいけないんですけど、なかなかできなくて、できないのが続くと、やっぱり戻ってしまう。でも、内観体験者達が集まって話すと、「あ、そうだったよね」ってまた少し思い出すんですよ。

 

ある時に、「日常内観はすごく大事なんだけど、継続が難しい」と、僕と従業員Mで話していたら、「話をすると思い出すから、何か共有できるものがあったら、もしかしたら僕たちは継続できるかもしれない。個人で毎日やるのは難しい。だったら、便利ツールを作って日記みたいにしようよ。」と言ってくれて、Mが作ってくれたのが内観アプリです。

実験的にやってみようと、日常内観をしたことを内観アプリにアップする。

自分自身が日常内観をやってなくても、たとえばだれかがやったら、その人の反省や感謝したことを見ることで、違う目線に気づいたりする。それに対して、僕がコメントを返したりします。誰かが日常内観をやることで、少し勇気づけられるというか…。日常内観は、何気ない報告の時もあるし、反省的なことや懺悔の気持ちを書くこともあります。

実際にアプリに登録しても、書かずに見るだけのスタッフもいっぱいいるんですけど、傍観者であっても、見ることで思い出すので、みんなで共通して乗り越えようという事で、会社で内観アプリを活用しています。

 

自己反省が会社全体の課題でもある。それが集中内観で得られる。

当社はまだ成熟していない会社ですが、急成長して組織が壊滅寸前だった。

小さい組織から急に大きくなって、その変化にはまらない人を切り捨てたくはなかった。

大きく成長を遂げたいろいろな会社の社長さんに相談しても、合わない人はいなくなっていくと。当時活躍してくれたことに関しては感謝なんだけど、会社の規模が変わってくると、過去に縛られてる人達は合わないから無理だってよく言われる。それはすごくわかるけど、彼らを排除するのは、僕は嫌だった。彼らも活かしながら会社を成長させていきたいと思うと、反発が起きるので、すごく難しい。彼らが活きる場所が減っていって会社内がギスギスし出す。

 

そんな時に集中内観に出会えて、みんなが生まれ変わるわけじゃないけど、ちょっと成長できるというか、自己反省というカードをゲットできる。このカードって若い時にはほぼ持っていなくて、持たずに年を取っていってしまうと、もうなかなかゲットできないというか、若い時に痛い目に合って、若気の至りなんだと。

成長していく人は自己反省をする機会があるかもしれないけど、現代のような世の中だと、合わなかったら辞めれば良いやとなる。そうではなくて、ちゃんと日の目を浴びながら、きちんと自分の立ち位置を確保できて会社が成長できたらいいなと思う中に、自己反省が会社全体の課題でもある。それが集中内観で得られるので。すぐに忘れちゃうスタッフもいますけど…。

それでも絆としてあり、深層心理の中に、集中内観を体験した人は絶対その感覚があるから、何か問題があっても、あまりブレずに大切なことを伝えることができるというのが大きいです。

丸昇という会社は集中内観にはまりましたし、今後も取り組んでいきます。

 

【安藤明弘さんのインタビュー後半を終えて】

企業研修で集中内観を取り入れ、その後の体験談のシェアや、会社独自で内観アプリを作って、アフターフォローにも力を入れておられるということです。定期的に内観に触れる機会があるので、集中内観の時に体験した感動や感謝、自分を振り返る大切さを思い出しやすい環境にあり、相乗効果を感じました。

 

日常内観の大切さはわかっていても、一人での継続はなかなか難しいのが現実です。

それを身近な会社の仲間と共有しお互いに支え合う事で、さらに働く仲間同士の絆が深まっていきそうで、素敵な取り組みをされているなと思いました。

安藤社長をはじめ、従業員の方々も、いろいろな課題がある中で、仲間と共に乗り越えていこうとされる勢いを感じました。集中内観を1回で終わりにせず、継続していこうと工夫される前向きな姿勢を見習いたいです。

 

TEL 076-483-0715
9:00〜18:00 (不定休)