北陸内観研修所

人生の転機に

進路に絶望した高校性が夢を叶えるまで

自分の意志で大学を決定。すると勉強への苦しさがなくなる

今回は明るい話題です。
希望する大学に合格した娘さんの内観体験記です。
新生活を始める前に、喜びを分かち合うために訪問してくださいました。


集中内観をやり遂げた自信が進学に繋がる

これは一年前の出来事です。
昨年3月に、高校2年生女子が一週間の内観をされました。
お母さんが娘さんの落ち込みを心配して連れて来られたのです。

はじめは内観どころではありませんでした。
内観をする気力がなかったのです。
そのような状態で知らない場所に来ることは、緊張と不安を感じます。

そこで私たち内観面接者は、「そのままのあなたでOK」という想いが伝わるよう心がけました。
彼女の居場所作りのために、内観をしなくても大丈夫な雰囲気と声がけ、そして「温かい食事」や「守られている環境」を提供しました。

すると変化が訪れます。彼女がまず受け入れたのは、音源を聴くことでした。内観の音源だけではなく、彼女が子守歌代わりに聞いていたピアノ演奏の音源も聞いてもらいました。
少しずつ安心感が生まれてきたようです。集中内観も三日すぎても、彼女は中断を申し出ませんでした。

次の手として、所長はお母さんに一日だけ内観に来てくださるように頼みました。お母さんは、一晩彼女と共に時間を過ごしてくださいました。
この時、お母さんは心を鬼にして、彼女に「帰りたかったら一緒に帰ろう」と言わなかったそうです。

翌朝、お母さんは帰宅。娘さんは中断できないと腹をくくりました。次第に自分のペースで内観に取り組むようになり、そして最終日には、丸一日内観をしました。3か月後に、彼女から手紙がきました。

彼女からの手紙

私は、昨年3月にお世話になった高校3年生女子です。今、とても元気です。あの一週間、本当にお世話になりました。一週間、やり終えることができなかったら私は変わることができなかったと思います。大学受験を控える高校3年生になる前に、内観を行うことができて本当に良かったと思っています。

家に帰った内観後の一週間は、学校に行くと、学年主任の先生をはじめ、多くの先生に「顔色が良くなったね」と声をかけていただきました。元気になったと実感していました。しかし学校に行き始めてから、いろいろ揺れている自分がいました。その理由が進路についてです。担任の先生との面接時に時間をかけて話しました。

私は目標がない中、ましてや専門学校に行きたいとさえ思っているから、勉強しても意味がないのではないのかと思っていました。行きたい専門学校の内容を話すと、専門学校は否定しないけど、これはどう?と言われました。家に帰って調べると自分のやりたい学科でした。

このことを知ったとき、始めて自分の意志で大学に行きたいと思いました。具体的に志望校を決めてからは、勉強に対する苦しさのようなものがなくなっていました。このおかげで最近元気になれたのだと思います。2年生の私は、自分は暗いと思っていたのですが、思っている以上に暗く、辛そうにしていたそうです。私は特別なにかできることがないので、注目される人間ではありません。

自分のことなんて、誰も見ていないと思っていました。職員室で話していた先生が私の去り際に「授業中、辛かったら保健室に行っていいから。無理する必要はないのだよ」と言ってくださったことを思い出しました。私を見てくれている人はいるっていう言葉は本当なのだなと思いました。

学校の先生方は私が思っている以上に、私のことを見てくださっていることを知りました。昨年度から引き続いて学年担当の先生、違う学年に移動されてしまった先生も、私とすれ違うと「元気?」と声をかけてくださいます。それにこの前は、特に何かで関わっているわけではない先生に「最近キラキラしているね」って言われました。

皆それぞれに心配していてくれたみたいで有り難いなと思いました。すると物事に対して、一喜一憂することが無くなりました。それは心のベースになるものができたからだと思います。もちろん落ち込むことはありますが、前のような絶望を感じることはなくなりました。

今まで私は誰の力も借りないで一人で生きていきたいって思っていました。でも、そんなことは無理だったのですね。私はすでに一人で生きていないから。特に2年生のときの学年担当だった先生には、たくさんのご迷惑とご心配をおかけしました。

だからちゃんとお返ししたいのです。

私が誰かのために頑張りたいと思ったのは初めてです。自分が出来る限り、精一杯勉強をして結果を出すという形でお返ししたいです。

大学に行きたいと思ったのは自分のためだけではありません。家族、そして学校の先生のために大学受験に合格したいと思っています。家族には、私は中学生の頃から今まで、結果を出して喜ばせるということをしていません。母はたぶん私が元気になったことを一番喜んでくれていると思います。だから、その期待に応えたい、喜ばせたいと思っています。

この手紙を書いたのは、誰かに私の話しを聞いてもらうということを求めたのだと思います。一週間の内観をやり遂げた出来事は、私の人生においてプラスになり、必要なことでした。これからも途中で辛くなったら、誰かに助けを求めて何とかやって行きます。本当にありがとうございました。

 

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