北陸内観研修所

内観ブログ人間関係をより良く

[第2回]人を信じられない本当の理由

~あなたが悪いのではなく、心が自分を守っているのです~

「人を信じたいのに、信じられない。」

そんな悩みを抱えている方は、少なくありません。

職場で同僚の言葉を素直に受け取れない。

パートナーから愛情を感じていても、「いつか離れていくのではないか」と不安になる。

人に頼ることが苦手で、いつも一人で抱え込んでしまう。

表面的には人付き合いができていても、心のどこかで人との間に壁を作ってしまう。

もし、あなたにもそのような感覚があるとしたら――。

あなたの心は、長い間、自分自身を守ろうとしてきたのかもしれません。

人を信じられない人が、本当に恐れているもの

人を信じられない人は、決して人が嫌いなわけではありません。

むしろ、

●  「傷つきたくない」

●  「見捨てられたくない」

●  「拒絶されたくない」

という思いが強い場合があります。

だからこそ、

「人に近づきたい」

という気持ちと、

「これ以上傷つかないように、距離を置きたい」

という気持ちの間で揺れ動くことがあります。

心の奥には、

「どうせ分かってもらえない」
「期待しても、裏切られる」

という思い込みが育っていることもあります。

それは、単なる「人嫌い」ではありません。

過去の経験の中で、傷つかないために身につけた心の守りなのかもしれません。

その始まりは、どこにあるのか

私たちは幼い頃、主に育ててくれた人との関係の中で、

「人は信頼できる存在なのか」

ということを、少しずつ学んでいきます。

もちろん、十分に愛情を感じて育った人でも、人を信じることが難しい場合はあります。

けれど、人との関わりの中で寂しさや不安を抱える体験が重なると、

「期待しない方が傷つかない」

という心の癖が、知らず知らずのうちにできることがあります。

「最初から期待しなければ、裏切られて傷つくこともない。」

そんなふうに、自分を守るようになるのです。

でも、それは弱さではありません。

そのときの自分にとっては、傷つかないために必要だった方法。

つまり、自分を守るために身につけた「生きる知恵」だったのです。

内観で見えてくるもの

では、なぜ人を信じられなくなったのでしょうか。

内観では、その答えを頭で探すのではありません。

過去の出来事を、事実に沿って丁寧に見つめていきます。

例えば、母親について、

世話になったこと。して返したこと。迷惑をかけたこと。

を調べていきます。

父親についても、同じように調べていきます。

すると、自分がこれまで思っていた「親の姿」とは違う面が見えてくることがあります。

「あのときも、こんなことをしてもらっていたんだ。」

「自分が気づいていなかっただけで、支えてもらっていたんだ。」

そんな事実に気づくことがあります。

そして同時に、自分自身がこれまで、人との関係をどのように受け止めてきたのかも見えてきます。

内観は、「人を信じられない原因」を探すことだけが目的ではありません。

自分が人を信じられなくなった背景を、事実を通して理解していくのです。

実際の体験から

北陸内観研修所で集中内観を体験された方の中には、

「親から愛されていなかったと思っていたけれど、実際には多くのことをしてもらっていたことに気づいた」

と話される方も少なくありません。

それまで自分の中にあった親のイメージと、内観を通して見えてきた事実との間に、大きな違いがあったことに気づくのです。

そして、不思議なことに、変化は親との関係だけにとどまらないことがあります。

人とのつながりの感じ方が、少しずつ変わっていく。

人に対する見方や、自分自身の受け止め方が変わっていく。

まず変わったのは、周囲の人ではなく、自分自身の受け止め方だっのです。

実際の体験談はこちらからご覧いただけます。

▶「誰といても、むなしくて、寂しくて仕方がない」

誰といても、むなしくて、寂しくて仕方がない

次回予告

次回は、

「親との関係は、大人になっても続いている」

というテーマでお届けします。

私たちは大人になっても、なぜ親の言葉や態度に影響を受け続けるのでしょうか。

内観の視点から、親との関係と現在の人間関係について考えてみたいと思います。

TEL 076-483-0715
9:00〜17:00 (不定休)