アダルドチルドレン
『毒親』という言葉に感じた心地悪さ
「アダルドチルドレン」と言われた40代女性の内観体験記です。アダルトチルドレンとは、家庭が充分な役割を果たしていないために、豊かな愛情を受けることができないまま成長した子どものことです。成人してからも生きづらさを感じる人が多く、中には人や社会に上手くなじめないと感じる方もいます。彼女は、生きづらさを改善しようと、集中内観に来ました。
内観は彼女に何を感じさせたのでしょうか?彼女の感想文を拝読してみましょう。
集中内観研修後の感想文
私は小学生の頃から生きづらさを感じておりました。
昨年の春、とうとう精神が保てなくなり、始めてカウンセリングを受けました。心理カウンセラーの先生は「あなたの夫はDVである」と言って、アダルトチルドレン』の本を貸してくださいました。
私を機能不全家族の中で育ったACだと言われました。
そしてグループミーティングに参加したのですが、そこでは参加者の方々が「私は母と縁を切りました」「私は母の日に何もしませんでした」と発表される度に、皆さんで「おめでとう」「よくやった」と拍手するのに違和感をおぼえました。「もっと親に対して怒っていい」「あなたの母は毒親だったのだ」と言われても、怒りを認めて一時的には心が軽くなるものの、親を全否定するということに心地悪さを感じ行くのを止めて内観に参りました。
内観をして、7日目の朝。
庭を眺めた時、山は青く輝き、桜は満開、鳥はさえずり、草は鮮やか、蝶が舞い、日の光がさんさんと降り注ぎ「ああ、世界は美しかったんだ」と思い、自然と涙があふれ流れてきました。「世界は美しかった。そしていつもそこにあった」。「それに気付かなかったのは私。心を閉ざし、目を閉じ、見なかったのは私なんだ」と、心からあたたかい気持ちになりました。
母から愛されていると知っただけで、こんなにも心の中に平安が感じられるのだと驚きました。今まで愛を外に求めていたけれど、こんなに近いところ、自分の中にあったのだと気付きました。今まで外に求めていたことが嘘みたい、今は外に求める気持ちがなくなりました。今までこだわっていた執着も、どうでもいいようなことに思えます。今すぐ、父母に手紙を書いて、私の内観体験を伝えたいです。
そうして、ずっと両親と合わずにいましたけれど、会って謝りたい。感謝の気持ちを直接伝えたいと思っています。小さい頃のアルバムを一緒に見て、過去の記憶をもっとたくさん思い出して、お世話になった事、して返したこと、ご迷惑をかけたことを深く探っていきたいと思っております。
7日間、お世話になりました。本当にありがとうございました。