介護ストレスを下げるために
介護ストレスを下げるために
今回は、介護のストレスに悩む50代女性自営業の体験記をご紹介いたします。
体験記
彼女は認知症の父親の介護をしていました。仕事のストレスが溜まると、介護をしていても感情が揺れ動く自身に困惑していました。素直な気持ちで父親に接したいと思い内観をしに来ました。彼女はこれまでも自己啓発を積み重ね、心の根底に母親へのわだかまりがあると気付いていました。母親には本人が10歳の時に家を出て、それ以後会っていません。母親に関しての父への恨みがあると思ったのです。
母親に対しては3回内観しました。1回目は殆ど思い出さず、2回目は少し思い出し、3回目は笑っている顔が浮かび「私たちのためにご飯を作ってくれた場面」が出てきて良いイメージになりました。「母親は私を捨てたと思い込んでいたが、私が父親を選んだのが事実だった」という理解は、彼女の母親に対するイメージを大きく変えました。
彼女が、自身の見方を変え自己中心的なところや「愛情」に捉われていることを認めたのは「嘘と盗み」を調べる中でした。父親の介護にも展望を持ちました。2回目父親に対して内観をし、一生懸命に育ててくれたイメージに変わったからです。内観前は、父親に対しては頼りなく、怒るイメージがありました。しかし「田畑を売って私の結婚資金にしてくれた」ことや「姉ばかりを可愛いがっていると思い込み愛情を欲しがった」と気づきました。
内観後は、父親の介護に関して、苦しい・辛い・嫌だという感情から大丈夫・喜ばしてやりたい・できるという気持ちに変わりました。