北陸内観研修所

内観小説

[その6] 思い出せない母親の記憶【恋人と長く付き合い、ゴールしよう!うまくいかない恋愛】

その6:思い出せない母親の記憶

なつきは、母親のことを思い出してみました。現在、母親と父親は高齢になり仲良くふたりの生活を過ごしています。たまに実家に帰ると、母親はなつきの好物を作って待っていてくれ、両親と静かでこころ落ち着く時間を過ごします。

会話は弾まず、お互いの近況報告をするだけですが、まぁ、両親がそれぞれ健康でいてくれることで良しとしよう、と考えていました。そして、たまに帰宅することを親孝行のためだ、娘としての勤めだ、と義務感として受け取られても仕方がない感情を持ち合わせていた事は否めません。

それにしても、幼少期の記憶が余りありません。思い出そうとしても、なんだかボーとして、次に激しい拒絶がきます。思い出したくない!内から、そのような言葉が吹き出してくるのです。何かある?こころの扉を開けることを考えていると、ぶるっと震えがきました。

その日は、それでお終い。

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次の日、帰宅後にまたもネットサーフィンをしていて、あるブログに辿り着きました。
それは、ある男性のブログでした。何かの研修の体験記のようでした。彼は、母親を嫌っていました。過去形です。

そして母親を嫌う自分が、嫌いなのだそうです。彼は小さいときにいたずらをし、母親からこっぴどく叱られました。その後の言葉が、鮮烈でした。お前は橋の下から拾ってきた子どもだ。という言葉を、30歳になっても引きずっていたというのです。

この言葉に引きずられて長年、母親を恨んでいたとは、男性自身も、その研修をするまで夢にも思っていませんでした。

 

 

つづく
恋人と長く付き合い、ゴールしよう!~うまくいかない恋愛~
その7:良い子でいようとした子ども時代

もくじ
恋人と長く付き合い、ゴールしよう!~うまくいかない恋愛~
なつきの恋愛ベタ克服ストーリー

はじめに はじめに
その1 私の付き合う男って皆ダメなやつ
その2 ネガティブな思考パターン?
その3 人を愛せない
その4 プロポーズの返答
その5 お母さんせいで結婚できないという怒り
その6 思い出せない母親の記憶
その7 良い子でいようとした子ども時代
その8 拠り所になる人の励まし
その9 思い出さない過去
その10 寂しかった過去
その11 養育費を稼いでくれた父親
その12 素直な感謝
その13 母親への憎しみ
その14 慈愛が受容される
その15 彼の愛を受け入れる
その16 繰り返しダメな彼とつきあう訳
その17 自身を成長させてくれた元彼
その18 彼といると自然体でいられる自分
おわりに 生きづらさからの解放

番外
1 母親との関係がいい人は誰とでも円満につきあえる
2 なぜ感情をコントロールできないの?
3 辛いときに母を恋しく思うのは本能
4 パートナーの心が離れていく訳

 

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