北陸内観研修所

内観小説

[その16] 繰り返しダメな彼とつきあう訳【恋人と長く付き合い、ゴールしよう!うまくいかない恋愛】

その16:繰り返しダメな彼とつきあう訳

内観7日目

なつきは今まで付き合った全ての元彼を調べることにしました。まず中学時代にはじめてつきあった彼に対する内観をしました。なんと一週間で別れてしまったことを思い出し、笑ってしまいました。軽いのりで付き合い、話をしていて言い合いになって絶交。あまりにも幼い自分に呆れてしまいました。

次に、高校時代。何人かの男性から付き合って欲しいと告白され、いい気になっていました。付き合い始めると、なつきは彼を自分の思う通りにしようとしている自分の想いが蘇ってきました。その当時の自分には、そんな気持ちがあるなどと思いもしませんでした。

待ち合わせの場所に遅れてくる彼に、強い口調でののしったこと、デートの最中にかわいい女の子に目をやる彼に腹をたててぷいと帰ってしまったことなど、次々となつき自身の甘えやわがままが浮かんできます。

ある気付きがありました。人と人の関係は、時間をかけて、交わりの中で積み重ねて構築していくものだということです。そのことが高校時代の私には分からなかったんだ!私のこのような行為に、元彼も戸惑っただろうなー。なつみは´元彼の視点´で物事を考えていました。

大学時代には、グループ交際をしていました。他のカップルを見て、会話を重ねるなかで、なつきはある程度のわがままを言っても良いことを知りました。お互いに譲ったり、世話をしあうことによって少しずつ信頼感が養われるのと気付きました。

社会人になっても、付き合う男性との関係は変わっていませんでした。内観も、最も集中できる時を迎えていました。その当時の自分の心情がまざまざと浮かんできます。

元彼に気を許すようになると、なつきはあからさまに自分の本音を出すようになります。行動を起こす前に、必ず何か悪いことが起きるのではないかと彼に訴えたり、話し合いでは「どうせ、私はできが悪いのよ」という言葉で会話を終えるのが常でした。

中学時代・高校時代・大学時代・社会人と時間軸に沿って内観をしていくと、なつきはネガティブな思考パターンが自分の心の奥に根付き、考え方が消極的にそして悪い方に向かっていく自分を認めていました。それと共に付き合っていた元彼らは、なつきのネガティブ思考に共鳴していましたが、次第にイライラ感が募っていきました。

そうだったんだ!私が付き合っていた元彼は、ダメなやつではなく私がダメにしていたんだ!

これを承認することは、なつきにとって辛いことでした。しかし事実、同じパターンの別れ方を繰り返している以上、元彼よりも自分自身を疑ってみる方が合理的な考え方だと、なつきは頷かざるを得ませんでした。なつきは落ち込みました。最後に、2度目の現在の彼に対する自分を調べ始めました。

 

つづき
その17 自身を成長させてくれた元彼

もくじ
恋人と長く付き合い、ゴールしよう!~うまくいかない恋愛~
なつきの恋愛ベタ克服ストーリー

はじめに はじめに
その1 私の付き合う男って皆ダメなやつ
その2 ネガティブな思考パターン?
その3 人を愛せない
その4 プロポーズの返答
その5 お母さんせいで結婚できないという怒り
その6 思い出せない母親の記憶
その7 良い子でいようとした子ども時代
その8 拠り所になる人の励まし
その9 思い出さない過去
その10 寂しかった過去
その11 養育費を稼いでくれた父親
その12 素直な感謝
その13 母親への憎しみ
その14 慈愛が受容される
その15 彼の愛を受け入れる
その16 繰り返しダメな彼とつきあう訳
その17 自身を成長させてくれた元彼
その18 彼といると自然体でいられる自分
おわりに 生きづらさからの解放

番外
1 母親との関係がいい人は誰とでも円満につきあえる
2 なぜ感情をコントロールできないの?
3 辛いときに母を恋しく思うのは本能
4 パートナーの心が離れていく訳

 

 

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