北陸内観研修所

内観小説

[その13] 母親への憎しみ【恋人と長く付き合い、ゴールしよう!うまくいかない恋愛】

その13:母親への憎しみ

内観5日目 母親に対する自分、小学校高学年を調べました。

なつきはその当時、あるクラスメートの女子が苦手でした。物事を強く推し進める彼女は、なつきの仲間グループのボス的な存在でした。

彼女に拒否されることは、なつきにはとても苦痛でした。彼女を含めた仲間の会話に入れないことが恐怖でした。自分が無視されているようで、怖いので、彼女の顔色をみて行動していました。そして彼女の言い分を通すように加担しました。

しかしなつきは次第にその行動がしんどくなってきます。彼女がなつきにいろいろと要求することに「いや」と言えない自分に腹ただしさ覚えることもありました。悶々とした日々を送ります。

家に帰っても、なつきは学校での様子を母親に話しませんでした。母親に話を聞いてもらいたいとも思いませんでした。家族の会話。そのような習慣が、なつきの家族にはなっかったからです。

なつきは内観をしていて、学校でのトラブルを母親に話せない自分、そして学校での様子を聞こうともしない母親の記憶が蘇ってきました。母親は私が困っているときに助けてくれなかった。話しを聞いてくれなかった。本当はお母さんに受け止めて欲しかった。

守ってくれないお母さんが嫌いだった。私はそんなお母さんが憎かった。

この気付きは、今回の集中内観で一番の驚きでした。驚愕は体にものすごい衝撃を走らせ、涙が止めどもなく流れました。

私には、お母さんが憎いという感情があったのだ!

これまでなつきは、自分のことをまあまあ親孝行な部類に入るだろうと考えていただけに、そのショックはその後、余韻となって残りました。

面接時、内観の返答のあとこの話をしました。なつきは、面接者に母親を重ね合わせ、自身の心境を語っている自分を発見しました。「お母さん、私はね、お母さんに憎しみを感じたことがあったのよ。ごめんなさいね」。そう心の中で謝ると、母親はなつきの心情を受け止めてくれたかのように感じ、かすかに芽生えた温かみが、心を包みこんだように感じました。

 

 

つづき
その14 慈愛が受容される

もくじ
恋人と長く付き合い、ゴールしよう!~うまくいかない恋愛~
なつきの恋愛ベタ克服ストーリー

はじめに はじめに
その1 私の付き合う男って皆ダメなやつ
その2 ネガティブな思考パターン?
その3 人を愛せない
その4 プロポーズの返答
その5 お母さんせいで結婚できないという怒り
その6 思い出せない母親の記憶
その7 良い子でいようとした子ども時代
その8 拠り所になる人の励まし
その9 思い出さない過去
その10 寂しかった過去
その11 養育費を稼いでくれた父親
その12 素直な感謝
その13 母親への憎しみ
その14 慈愛が受容される
その15 彼の愛を受け入れる
その16 繰り返しダメな彼とつきあう訳
その17 自身を成長させてくれた元彼
その18 彼といると自然体でいられる自分
おわりに 生きづらさからの解放

番外
1 母親との関係がいい人は誰とでも円満につきあえる
2 なぜ感情をコントロールできないの?
3 辛いときに母を恋しく思うのは本能
4 パートナーの心が離れていく訳

 

 

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